ネットの「クッキー」って、私の何を覚えてるの?デジタルタトゥーを防ぐ確認と消し方
インターネットを使っていると表示される「クッキーに同意しますか?」とは?
インターネットでウェブサイトを見ていると、「このサイトはクッキーを使用しています。同意しますか?」といった表示を見かけることがありませんか?
よく分からないけれど、先に進みたいから「同意する」と押している、という方もいらっしゃるかもしれません。この「クッキー」という言葉、何のことだろう?自分の情報と関係があるのだろうか?と少し不安に思われることもあるかもしれません。
このクッキーは、あなたがインターネット上でどのような行動をしたか、という「足跡」に関わってくる大切な仕組みの一つです。今回は、このクッキーが何なのか、なぜあなたの情報と関係があるのか、そして、もし気になる情報が残っているかもしれないと不安になったときに、どうすれば良いのかを分かりやすくご説明します。
インターネットの「クッキー」とは何?
ウェブサイトで使われる「クッキー(Cookie)」とは、あなたがそのウェブサイトを訪れた際に、あなたのパソコンやスマートフォンに一時的に保存される小さな情報ファイルのことです。
例えるなら、お店の「ポイントカード」のようなものです。お店(ウェブサイト)が、あなた(利用者)がお店に来たこと、何を買ったか(どんなページを見たか)、会員かどうか(ログインしているか)といった情報を記録するために使います。
クッキーには、主に次のような情報が記録されます。
- あなたのログイン状態: 一度ログインすれば、次からはIDやパスワードを入れ直さなくても済むようにする情報。
- ウェブサイトでの設定: サイトの表示を日本語にする、文字の大きさを変えるなどの設定。
- ショッピングカートの中身: ネットショッピングで、後で買おうと思ってカートに入れた商品情報。
- 以前に見たページや商品: そのサイト内で、あなたがどんなものに興味を持ったか、どのページを見たかといった履歴。
これらの情報があることで、ウェブサイトはあなたにとって使いやすく、便利なものになります。例えば、ログインし直す手間が省けたり、以前見た関連商品をおすすめしてくれたりします。
クッキーが「デジタルタトゥー」とどう関係するの?
クッキー自体は便利な仕組みですが、そこに記録された「あなたの行動履歴」が、後からあなたを特定する手がかりになったり、あなたが過去に何に興味を持っていたかを知られたりすることに繋がります。これが「デジタルタトゥー」の一つの側面と言えるでしょう。
例えば、
- 過去に検索したり見たりした商品の広告が、他のサイトでも表示されるようになる。 これは、クッキーの情報を使って、あなたが興味を持ちそうな広告を選んで表示しているためです。
- 特定の趣味に関するサイトをよく見ていたことが、クッキーを通して記録され、その情報が他のサービスに利用される可能性がある。
- もし、あなたが使っているパソコンやスマートフォンを他の家族が使う場合、クッキーに残った情報から、あなたのネット上での行動の一部が分かってしまう可能性がある。
このように、クッキーに記録された情報が、意図しない形であなたの「足跡」として残り、プライバシーに関わる可能性があるのです。
不安を減らすために、クッキーを確認・削除する方法
クッキーは、あなたの意思で管理することができます。特に、多くの情報を記録していると感じる場合や、過去の閲覧履歴などが残っているのが気になる場合は、定期的にクッキーを確認したり、不要なものを削除したりすることをおすすめします。
クッキーの確認や削除は、あなたがインターネットを見るときに使っているソフト(「ブラウザ」と呼びます。例えば、インターネットエクスプローラー、エッジ、クローム、サファリなどがあります)の設定画面から行います。ブラウザの種類によって少しずつ手順が異なりますが、基本的な考え方は同じです。
ここでは、代表的なブラウザでの一般的な手順の考え方をご説明します。詳しい手順は、お使いのブラウザ名と「クッキー 削除 方法」といった言葉でインターネット検索すると、最新の情報が見つかります。
【一般的なクッキーの確認・削除手順の考え方】
- ブラウザの設定画面を開く: ブラウザの画面の右上や左上にある「メニュー」ボタン(三本線のマークや歯車のマークなどが多いです)をクリックし、「設定」や「オプション」といった項目を探します。
- 「プライバシー」や「セキュリティ」などの項目を探す: 設定画面の中に、「プライバシーとセキュリティ」「閲覧履歴の削除」「サイト設定」といった、個人情報や履歴に関わる項目があります。
- 「クッキー」や「サイトデータ」に関する項目を探す: その中に、「クッキー」「サイトデータ」「閲覧履歴データ」といった項目があります。
- クッキーを確認・削除する:
- 「すべてのクッキーとサイトデータを見る」といった項目があれば、どんなサイトのクッキーが保存されているか一覧で見ることができます。
- 「クッキーを削除」「閲覧履歴をクリア」といったボタンがあれば、そこからクッキーをまとめて削除することができます。削除する期間(「過去1時間」「過去24時間」「すべて」など)を選べる場合が多いです。
【削除する際の注意点】
クッキーを削除すると、ウェブサイトがあなたを「初めての訪問者」とみなすようになります。そのため、
- ログインが必要なサイトでは、もう一度IDやパスワードを入力し直す必要があります。
- サイトで行った表示設定などがリセットされる場合があります。
- ネットショッピングのカートの中身が消えてしまうこともあります。
これらの点を理解した上で削除を行いましょう。もし、ログイン情報などを覚えておくのが難しい場合は、重要なサイトのクッキーは残す、という設定ができるブラウザもあります。
これからのために:「同意しますか?」表示にどう向き合うか
ウェブサイトを訪れた際に表示される「クッキーに同意しますか?」という表示は、あなたが自分の情報がどのように使われるかを知り、管理するための大切な機会です。
多くの場合、「同意する」を選ばないと、ウェブサイトの一部機能が使えなかったり、先に進めなかったりします。しかし、表示されるメッセージをよく読んで、「どのような目的でクッキーが使われるのか」を知ろうとすることが第一歩です。
もし、特定のサイトのクッキーが必要ないと感じる場合は、ブラウザの設定でそのサイトからのクッキー保存を拒否したり、サイトが表示する詳細な設定画面で不要な種類のクッキー(広告用など)を無効にしたりできる場合もあります。
まとめ:クッキーを理解して、インターネットをより安心して使うために
インターネットの「クッキー」は、ウェブサイトを便利に使うための仕組みですが、あなたのネット上での「足跡」を記録し、それがデジタルタトゥーに繋がる可能性も持っています。
どんな情報が記録されている可能性があるのかを知り、定期的にブラウザの設定からクッキーを確認・削除することで、あなたの情報が意図せず残ってしまうことへの不安を減らすことができます。
難しく感じるかもしれませんが、まずは「クッキーってそういうものなのか」と理解することから始めてみましょう。そして、ご自身のペースで、ブラウザの設定画面を少しずつ確認してみてください。一歩ずつ進めることで、インターネットをより安心して利用できるようになります。
もし操作に不安があれば、ご家族や信頼できる方に相談してみるのも良い方法です。あなたのネットの足跡を管理するお手伝いを通して、安心してインターネットを楽しんでいきましょう。