使わなくなったネットサービスの「登録情報」は消えている?確認と管理のステップ
使わなくなったネットサービスの「登録情報」は消えている?確認と管理のステップ
インターネットを使っていると、色々なウェブサイトやサービスで「会員登録」をしたり、「アカウント」を作ったりすることがありますね。例えば、ネットショッピングでお買い物をしたり、旅行の予約をしたり、無料のアプリを使ったりする時などです。
便利な一方で、「そういえば、あの時登録したサービス、もうずいぶん使っていないけれど、私の情報はどうなっているのだろうか?」と、ふと気になったことはありませんか?もしかしたら、こうした「使わなくなったサービスに残っているあなたの情報」も、ネットに残る「足跡」の一つと言えるかもしれません。
この記事では、なぜ使わなくなったサービスの登録情報が気になるのか、そしてご自身の情報がどうなっているかを確認し、どのように管理すれば安心できるのかを分かりやすくご説明します。
なぜ「使わないサービスの登録情報」が問題になるの?
「もう使っていないのだから、情報はもう消えているだろう」と思われるかもしれません。しかし、あなたが「退会」などの手続きをしていない場合、サービスを提供している会社にはあなたの情報がそのまま残っている可能性があります。
これがなぜ心配になるかというと、主に二つの理由があります。
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情報漏洩(じょうほうろうえい)のリスク: もし、サービスを提供している会社から、何らかの原因で大切な情報が外に漏れてしまうような事故(これを情報漏洩と呼びます)が起きた場合、あなたの情報もその中に含まれてしまう可能性があります。使っていないサービスでも、登録した名前、住所、電話番号、メールアドレスといった個人情報が、悪意のある人の手に渡ってしまうことも考えられます。 これは例えるなら、もう住んでいない古い家に、大切なものを置いたまま鍵をかけていないようなものです。
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悪用されるリスク: もし、あなたが他のサービスでも同じ「パスワード」を使い回している場合、情報が漏洩したサービスからあなたのパスワードが知られてしまうと、他のサービスでもあなたになりすましてログインされてしまう危険があります。これが「アカウント乗っ取り」と呼ばれるものです。 使っていないからと安心して放っておくと、思わぬところであなたの情報が悪用されてしまう可能性があるのです。
どんな情報が残っている可能性があるの?
あなたがサービスに登録する際に提供した情報が残っていると考えられます。例えば、
- 名前、住所、電話番号
- メールアドレス
- 生年月日
- 性別
- クレジットカード情報(登録した場合)
- 利用履歴(いつ、何を購入したか、どんなページを見たかなど)
といった情報です。これらの情報は、サービスによって、またあなたがどこまで登録したかによって異なります。
自分の情報が残っているサービスを確認するには?
「そうは言っても、どこに登録したか、もう覚えていない…」という方もいらっしゃるかもしれません。過去に登録したサービスを思い出すためのヒントがいくつかあります。
- 過去のメールを探してみる: サービスの「会員登録完了のお知らせ」や「ご登録ありがとうございます」といった件名のメールが残っているかもしれません。迷惑メールフォルダに入っている可能性もありますので、過去に遡って探してみるのも一つの方法です。「登録」「完了」「アカウント作成」といったキーワードで検索してみると見つけやすいでしょう。
- インターネットブラウザの「パスワード保存機能」を確認する: ご利用のパソコンやスマートフォンのインターネットを見るソフト(「ブラウザ」と呼びます。例: Google Chrome、Safari、Microsoft Edgeなど)に、ログイン時のパスワードを保存する機能があります。この保存リストを見ると、過去にログインしたサービス名が並んでいることがあります。
- (注) パスワード保存機能の確認方法はブラウザによって異なります。「〇〇(ブラウザ名) パスワード 保存場所」などでインターネット検索すると、詳しい手順が見つかるはずです。ただし、この機能を使うこと自体がセキュリティ上のリスクになる場合もありますので、ご注意ください。
- よく使うメールアドレスで登録できるサービスを考えてみる: 普段お使いのメールアドレスを使って登録した可能性のある、よく見かけるサービスや昔流行っていたサービス名を思い出してみましょう。
不要なサービスの登録情報を管理する方法
もし、もう使わないサービスに情報が残っていることが分かったら、ご自身の情報を管理するためにできることがあります。
一番確実なのは、そのサービスを「退会(たいいかい)」することです。
多くのサービスでは、ウェブサイトやアプリの中に退会のための手続きが用意されています。探し方の一般的なステップをご紹介します。
- サービスのウェブサイトやアプリにログインする: 過去のメールなどでサービスのURLを見つけ、ログインを試みます。パスワードを忘れてしまった場合は、「パスワードを忘れた方はこちら」といったリンクから再設定できる場合があります。
- 「マイページ」や「設定」の項目を探す: ログインできたら、画面上部や下部、またはメニューボタン(三本線のアイコンなど)の中に、「マイページ」「アカウント設定」「登録情報の変更」といった項目があるはずです。
- 「退会」「解約」「アカウント削除」といった項目を探す: 設定画面の中に、小さな文字で「退会する」「アカウントを削除する」「サービス利用を停止する」といったリンクやボタンがないかを探します。見つけにくい場所に置かれていることもあります。
- 手順に従って退会手続きを進める: 退会理由を聞かれたり、いくつかの確認画面が出たりすることがあります。表示される内容をよく読んで、手続きを完了させましょう。
【ご注意ください】 * 退会手続きをしても、サービスの規約によっては、すぐにあなたの情報が完全に消えるわけではない場合があります。法律で一定期間の情報の保管が義務付けられている場合や、サービスの運営上必要な最低限の情報が残されることもあります。しかし、通常は退会することで、サービス側が積極的にあなたの情報を使うことはなくなりますし、情報漏洩のリスクも減らすことができます。 * 退会方法がどうしても見つからない場合は、サービスの「よくある質問(FAQ)」を見たり、「お問い合わせフォーム」から運営会社に質問してみたりすることも有効です。
これから新しいサービスに登録するときの心がけ
今後、新しいインターネットサービスを利用する際には、以下の点を少しだけ意識しておくと、将来の不安を減らすことに繋がります。
- 本当に必要なサービスか考える: 安易に登録する前に、本当にそのサービスが必要か、信頼できるサービスかを考えてみましょう。
- 登録する情報を最小限にする: 求められる情報の中で、どうしても必要のない項目は入力しないという選択肢もあります。
- パスワードの使い回しをやめる: これが最も重要かもしれません。サービスごとに異なるパスワードを設定するか、安全なパスワード管理ツールを利用することを検討しましょう。
- 登録したサービスを記録しておく: 簡単なメモでも良いので、どこにどんなメールアドレスで登録したかを控えておくと、後で確認しやすくなります。
まとめ:適切な管理でネットの足跡と向き合う
使わなくなったインターネットサービスの登録情報は、放っておくと情報漏洩や悪用のリスクにつながる可能性があります。しかし、過度に心配する必要はありません。ご自身の登録しているサービスを定期的に見直したり、不要なサービスは適切に退会したりすることで、これらのリスクを減らし、安心してインターネットを利用することができます。
もし一人で対応するのが難しいと感じたら、ご家族や信頼できる詳しい方に相談してみるのも良いでしょう。ご自身の「ネットの足跡」と上手に付き合っていくための一歩として、この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。