もしかして残ってる?過去のSNS投稿やコメントを安全に確認・削除する方法
昔のネットの書き込み、今どうなっているか心配ではありませんか?
インターネットは便利なものですが、「一度ネットに出した情報は、消えずに残り続けるのではないか…」と、なんとなく不安を感じている方もいらっしゃるかもしれませんね。特に、少し前に利用していたSNSや、何かのウェブサイトに書き込んだコメントなど、「あの時、何を書いてしまったかな…」「もし誰かに見られたらどうしよう」と心配になることもあるかと思います。
このような、インターネット上に残された過去の情報は、「デジタルタトゥー」と呼ばれることがあります。まるで、簡単には消えない「ネットの足跡」のようなものです。
この記事では、皆さんがインターネット上に残したかもしれない「過去の投稿やコメント」に焦点を当て、それがどのように残りうるのか、そして、もし気になるものがあった場合に、どのように確認して整理すれば良いのかを、専門的な言葉を使わずに分かりやすくお伝えします。
デジタルタトゥーとしての「過去の投稿・コメント」とは?
インターネット上で皆さんが何かを「投稿」したり、「コメント」したりした記録は、そのサービスを提供している会社のコンピューター(これを「サーバー」と呼びます)に保存されるのが一般的です。
例えば、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)に日々の出来事を書き込んだり、ブログに自分の考えを載せたり、あるいはネットショッピングの商品のレビューを書いたり、ニュース記事にコメントをつけたりした経験はありませんか?
これらの書き込みは、皆さんが「削除」という操作をしない限り、サーバーに残り続けることが多いのです。そして、設定によっては、インターネットにつながっている世界中の誰でも見ることができる状態になっていることもあります。
まるで、古いノートに書き残した日記が、そのまま本棚にずっと置いてあるようなものです。ただ、インターネットの場合は、その「本棚」が世界中に公開されている可能性がある、という点が異なります。
なぜ、過去の投稿が気になるのでしょうか?
昔の投稿やコメントが残っていることで、具体的にどのようなことが心配になるのでしょう。いくつか例を挙げてみましょう。
- 今の自分とは違う情報が残っている: 昔は学生だったけれど今は社会人、住んでいる場所が変わった、結婚したなど、時間の経過とともに状況は変わります。古い投稿の内容が、今の皆さんの状況と違っていることで、誤解を生む可能性があります。
- 個人が特定される情報が含まれている: 知らず知らずのうちに、自分の名前、住んでいる地域、勤め先、家族のことなど、個人が特定されてしまうような情報を書き込んでしまっているかもしれません。これらの情報が不用意に残っていると、思わぬトラブルにつながる可能性もゼロではありません。
- 書いた内容が今の考えと違う、あるいは不適切に思える: 当時は何とも思わずに書いたことでも、時間が経つと「なぜあんなことを書いたのだろう」「少し言葉遣いが荒かったな」などと気になることがあります。こうした古い書き込みが、現在の人間関係や、地域の活動などに影響する可能性も考えられます。
ちょうど、何十年も前の卒業アルバムが、今の自分の写真や名前と一緒に保管されていて、誰でも自由に見られる状態になっている、と考えると、少しイメージしやすいかもしれません。
過去の投稿やコメントを確認し、整理するためのステップ
では、気になる過去の投稿やコメントがないか確認し、もしあればどのように対処すれば良いのでしょうか。ここでは、皆さんがご自身でできる具体的なステップをご紹介します。
落ち着いて、できるところから試してみてください。
ステップ1:過去に利用した可能性のあるサービスを思い出す
まずは、ご自身が過去にインターネット上で何かを書き込んだり、投稿したりした経験がないか、思い出してみましょう。
- 昔、家族や友人と写真を共有するために使っていたSNSはありませんか?(例: Facebook、mixiなど)
- 趣味の情報を集めるために見ていたブログやウェブサイトに、コメント機能がありませんでしたか?
- インターネットショッピングで、商品のレビューを書いたことはありませんか?
- 何かについて質問するために、Q&Aサイトや掲示板を使ったことはありませんか?
- ご自身のブログやホームページを作ったことはありますか?
紙のメモ帳に書き出すように、思いつくサービス名を書き出してみると良いでしょう。
ステップ2:それぞれのサービスにログインしてみる
ステップ1で書き出したサービスについて、もしアカウントを持っていたら、ログインを試みてください。
- ログインするには、通常「登録した時のメールアドレス」や「ユーザー名」と「パスワード」が必要です。
- もしパスワードを忘れてしまっても、「パスワードを忘れた場合」のようなリンクをクリックすると、登録したメールアドレス宛にパスワードを再設定するための案内が届くことが多いです。
- メールアドレスも忘れてしまった、あるいは、登録したメールアドレスがもう使えない、という場合は、そのサービスの「ヘルプ」や「よくある質問(FAQ)」のページに、アカウントの復旧方法や問い合わせ先が書かれていることがあります。
もしどうしてもログインできない場合は、後述する「自分ではどうにもならない場合」の対処法を検討することになります。
ステップ3:自分のプロフィールや過去の投稿を探す
ログインできたら、次はご自身のプロフィールページや、過去の投稿・コメントを探してみましょう。
- 多くのサービスでは、画面の右上や左上などに、自分の名前やアイコンが表示されている部分があります。そこをクリックすると、「マイページ」や「プロフィール」といった項目が出てくることが多いです。
- マイページやプロフィール画面には、過去に自分で投稿した内容が一覧で表示されていることがあります。
- コメントについては、投稿した記事のページに行かないと見られない場合や、プロフィールページから「コメント履歴」のように確認できる場合など、サービスによって探し方が異なります。
画面上のメニューをいくつか開いてみたり、「設定」や「アカウント」といった項目の中を見てみると、手がかりが見つかることがあります。焦らず、ゆっくりと探してみてください。
ステップ4:気になる投稿を確認し、削除する
過去の投稿やコメントが見つかったら、内容を確認してみましょう。そして、もし「これは残しておきたくないな」と思うものがあれば、削除を検討します。
- 投稿やコメントの近くに、「削除」「編集」「ゴミ箱のアイコン」のようなボタンやリンクがあるのが一般的です。
- 削除の操作を行うと、「本当に削除しますか?」という確認のメッセージが表示されることが多いので、内容をよく読んでから実行してください。一度削除すると元に戻せない場合がほとんどです。
- サービスによっては、アカウントを「退会」または「削除」することで、そこに紐づく全ての投稿が削除されるものもあります。ただし、サービスを退会すると、二度とそのアカウントでログインできなくなるなどの制約がありますので、退会の際はそのサービスの説明をよく読んでから判断しましょう。
一つ一つ確認し、不要なものを整理していく作業は、少し時間がかかるかもしれませんが、これからの安心につながります。
ステップ5:自分ではどうにもならない場合
- どうしてもログインできない。
- 削除方法が分からない、あるいは削除ボタンが見つからない。
- 自分が投稿したものではないけれど、自分について書かれた情報(悪口など)が見つかった。
このような場合は、一人で抱え込まず、外部に相談することも考えてみましょう。
- サービスのヘルプページや問い合わせ窓口: まずは、そのサービス自体のヘルプページで解決策を探したり、問い合わせ窓口に相談したりするのが第一歩です。
- 国民生活センターや消費生活センター: インターネット上のトラブルについて、情報提供やアドバイスをしてくれることがあります。
- 弁護士: 誹謗中傷など、法的な問題が絡む場合は、弁護士に相談することも検討できます。
- 警察: 犯罪に関わるような情報(脅迫など)を見つけた場合は、警察に相談してください。
- 民間の削除業者: インターネット上の情報削除を請け負う業者もありますが、費用が高額になったり、中には悪質な業者も存在したりするため、利用する場合は慎重に選び、契約内容をよく確認することが重要です。
まとめ:安心のために、できることから一歩ずつ
インターネット上に残る過去の投稿やコメントは、確かに気になるかもしれません。しかし、過度に心配しすぎる必要はありません。多くの情報は、適切に確認し、整理することで、ある程度の管理が可能です。
今回ご紹介したステップを参考に、まずはご自身が過去に利用したサービスを思い出すことから始めてみてください。そして、できる範囲でログインし、ご自身の投稿を確認・整理していくことで、少しずつ安心につながるはずです。
もし途中で分からなくなったり、自分一人では難しいと感じたりした場合は、無理せず家族や友人、あるいは専門機関に相談することも大切です。
これからのインターネット利用では、何かを投稿する前に「これは公開しても大丈夫かな?」「将来、この内容を見られても困らないかな?」と少し立ち止まって考えてみることも、新しいデジタルタトゥーを作らないための大切な心がけになります。
皆さんのインターネットライフが、より穏やかで安心できるものになるよう願っています。