ネットで買った履歴、どこまで残る？不安解消のための確認と整理
ネットで買った履歴、どこまで残るのか不安ではありませんか？
インターネットでお買い物をすることが、ずいぶんと身近になりましたね。お店に行かなくても、家にいながら欲しいものが買えるので、とても便利だと感じていらっしゃる方も多いと思います。
その一方で、「昔、ネットで買ったものの履歴はずっと残っているのだろうか？」「私の名前や住所といった大切な情報はどうなっているのだろうか？」と、漠然とした不安を感じることはありませんか？
こうしたインターネット上に残るさまざまな情報のことを、「デジタルタトゥー」と呼ぶことがあります。一度ネットに出た情報は、たとえ自分では消したつもりでも、見えないところに残り続けてしまうことがある、というイメージからそう呼ばれています。
この記事では、特に皆さんがよく利用されるネットショッピングに焦点を当てて、購入履歴やそれに伴う個人情報がどのように残るのか、そして、ご自身の情報を確認したり、不要なものを整理したりするための方法を、分かりやすくお伝えしたいと思います。難しい言葉は使わず、丁寧にご説明しますので、ご安心ください。
なぜネットで買った履歴は残るのでしょうか？
ネットショッピングのサイトで何か商品を買うと、その「いつ」「何を」買ったかという履歴が、そのサイトを提供する会社に記録として残ります。これは、いくつかの理由があります。
一つは、皆さんの「利便性」のためです。例えば、以前買った商品をもう一度買いたいときに、履歴を見ればすぐに見つけられますし、皆さんの好みに合ったおすすめの商品を表示するためにも使われます。
もう一つは、お店側の理由です。例えば、商品の保証期間を管理したり、返品や交換の対応をしたりするために、購入の記録が必要になります。
そして、この購入履歴には、皆さんが会員登録した際に提供した「お名前」「ご住所」「電話番号」「メールアドレス」といった個人情報、場合によっては「クレジットカード情報」なども紐づいて記録されています。これは、商品を正確にお届けしたり、支払いを確認したりするために必要だからです。
例えるなら、お店の「顧客台帳」と、そこで発行される「レシート」のようなものです。ネットショッピングでは、これらがデータとして、皆さんが利用している会社のコンピューターの中に保管されているとお考えいただくと分かりやすいかもしれません。
履歴が残っていることの、どんなことが気になるのでしょうか？
ご自身の購入履歴や個人情報がネットショッピングの会社に残っていることに対して、具体的にどのような点が不安になるでしょうか？
- プライバシーの心配: 自分がどんなものを買ったか、どこに住んでいるかといった情報が、会社のコンピューターの中に保管されているのは、少し落ち着かないと感じるかもしれません。「知られたくない情報が残っているのでは？」と気になる方もいらっしゃるでしょう。
- 情報漏洩のリスク: 万が一、そのネットショッピングの会社から情報が漏れてしまうようなことがあれば、ご自身の名前や住所、購入履歴が悪意のある第三者の手に渡ってしまう可能性もゼロではありません。こうしたニュースを聞くたびに、不安になる方もいらっしゃるかと思います。
買った履歴自体は、お店の「顧客台帳」と同じで、悪いことばかりではありませんが、それがどのように管理されているのか、どれくらい情報が残るのかを知っておくことは、皆さんの安心に繋がります。
ご自身の購入履歴や登録情報は、どこで確認できますか？
ご自身が利用しているネットショッピングサイトで、どのような情報が残っているかを確認してみましょう。
多くのネットショッピングサイトには、「マイページ」や「アカウントサービス」といった名前のページが用意されています。ここにログインすることで、以下の情報などを確認することができます。
- 購入履歴: これまでに注文した商品のリストを見ることができます。いつ、何を、いくらで買ったかなどが記録されています。
- 登録情報: お名前、住所、電話番号、メールアドレスなど、会員登録時に登録した情報が表示されます。
- 支払い方法: 登録しているクレジットカード情報やその他の支払い方法の一部が表示されることがあります（セキュリティのため、カード番号の全ては表示されないことがほとんどです）。
これらの情報は、サイトによって表示される場所や名前が少しずつ異なります。もし見つけ方が分からない場合は、サイト内の「ヘルプ」や「よくある質問」を探してみるか、サイトの問い合わせ窓口に聞いてみるのも良いでしょう。
確認する際のポイント:
- 複数のネットショッピングサイトを使っている場合は、それぞれのサイトで個別に確認が必要です。
- 普段使わないサイトでも、過去に一度でも買い物をしたことがあれば、情報が残っている可能性があります。
不要な情報を整理し、安心するための対策
ご自身の情報がどのように残っているかを確認したら、次にできる対策や整理の方法についてお話しします。
残念ながら、多くのネットショッピングサイトでは、一度行われた「購入履歴」自体を、利用者が簡単に削除できる機能は提供していない場合がほとんどです。これは、先ほどお話ししたお店側の管理の都合があるためです。しかし、それ以外の部分で、ご自身の情報を整理したり、リスクを減らしたりすることは可能です。
1. 登録情報の見直しと更新
- 「マイページ」などで登録している住所、電話番号、メールアドレスなどに間違いがないか確認しましょう。
- もし、もう引っ越したのに古い住所が残っている、というようなことがあれば、最新の情報に更新しておきましょう。
- 使わない支払い方法の情報が登録されたままになっていないか確認し、不要であれば削除を検討しましょう。
2. 不要になったアカウントの削除
- もう二度と利用しないと思われるネットショッピングサイトがある場合、そのサイトの「アカウント」や「会員情報」を削除することを検討しましょう。
- アカウントを削除すれば、購入履歴自体は会社側で保管されることがあっても、少なくともご自身の名前や住所といった個人情報との紐づけは解除されたり、情報そのものが削除されたりすることが期待できます。
- ただし、アカウントを削除すると、そのサイトでの購入履歴が見られなくなったり、ポイントなどが失効したりする可能性があるので、削除する前に注意書きをよく読むことが大切です。
- アカウントの削除方法は、サイトによって異なります。「ヘルプ」などで「退会方法」や「アカウント削除」といった項目を探してみてください。
3. メールマガジンの整理
- ネットショッピングサイトから届くメールマガジンは、購入履歴などに基づいて送られてくることが多いです。
- 興味のないメールマガジンが頻繁に届くようであれば、メールの最後に記載されている「配信停止」のリンクから手続きを行うことで、届かなくすることができます。これも、ご自身の情報が使われている範囲を整理する一つの方法です。
4. セキュリティ対策の確認
- ネットショッピングサイトにログインするためのパスワードを、他のサイトと同じものに使い回さないようにしましょう。もしどこか一つのサイトから情報が漏れても、他のサイトに影響が及ぶリスクを減らせます。
- パスワードは、誕生日など分かりやすいものではなく、他の人には推測されにくいものにするのが望ましいです。
まとめ：確認と整理で、インターネットをもっと安心して使うために
ネットショッピングの購入履歴や個人情報は、サービスの提供に必要なため、会社側のコンピューターに保管されています。購入履歴自体を簡単に消すことは難しい場合が多いですが、ご自身の登録情報を見直したり、使わないサイトのアカウントを整理したりすることで、安心に繋がるステップを踏むことができます。
インターネット上に残る情報について漠然とした不安を感じることは自然なことです。しかし、闇雲に怖がるのではなく、「どんな情報が、どこに、なぜ残っているのか」を知り、ご自身で確認したり整理したりする行動を少しずつ行うことが、デジタルタトゥーと上手に付き合っていくための第一歩となります。
この記事が、皆さんのネットショッピングに関する不安を少しでも和らげ、インターネットをもっと安心して利用するためのお手伝いになれば幸いです。『ネットの足跡相談室』では、これからも皆さんのデジタルタトゥーに関する悩みに寄り添い、分かりやすい情報を提供していきます。