【LINEやメール】普段使うネットサービスの「うっかり情報公開」を防ぐ設定確認
はじめに:普段お使いのサービス、設定は大丈夫ですか?
インターネットやスマートフォンは、今や私たちの生活に欠かせないものとなりました。ご家族やご友人との連絡にLINEをお使いになったり、お店の情報を調べるのにインターネット検索を使ったり、便利さを感じていらっしゃる方も多いことと思います。
一方で、「私の情報がどこまで見られているのだろう?」「間違った設定をしていないか不安だ」と感じることはありませんか?
インターネットの世界では、私たちが思っている以上に様々な情報が残り、意図しない形で公開されてしまうことがあります。これが「デジタルタトゥー」と呼ばれるものの一側面です。特に、普段何気なく使っているサービスの設定によっては、知らず知らずのうちに、あなたの情報が思ったよりも多くの人に見えてしまう可能性があります。
この記事では、普段お使いの身近なインターネットサービスを例に、あなたの情報を守るために確認しておきたい「プライバシー設定」について、分かりやすく解説します。難しい操作は必要ありません。一緒に確認していきましょう。
なぜ設定の確認が必要なのでしょうか?
インターネット上のサービス(例えばLINEやメール、SNSなど)は、使う人が便利なように、様々な機能が用意されています。しかし、その「初期設定」や、私たちが「うっかり」触ってしまった設定によっては、あなたの名前や写真、連絡先、どんなことに興味があるかといった情報が、本来見せたくない相手にまで見えてしまうことがあるのです。
一度インターネット上に公開されてしまった情報は、完全に消すことが難しくなる場合があります。これが、いわゆるデジタルタトゥーとなり、将来にわたって影響を及ぼす可能性もゼロではありません。
まるで、ご自宅のカーテンを開けっぱなしにしていると、外から家の中が見えてしまうのと同じです。インターネットの世界でも、あなた自身で「情報のカーテン」を閉める、つまりプライバシー設定を適切に行うことが、あなたの情報を守る第一歩となります。
どんな情報が、誰に見られてしまう可能性があるのか?
普段お使いのサービスで、設定によって公開範囲が変わる可能性のある情報には、例えば次のようなものがあります。
- あなたのプロフィール情報: 名前、顔写真、生年月日、住んでいる地域など
- あなたの投稿やメッセージ: LINEのタイムラインの投稿、SNSでの発言など
- あなたの「つながり」: 友だちリストやフォローしている人など
- あなたの位置情報: 写真に記録された場所や、アプリが取得した現在地
これらの情報が、あなたの「友だち」や「知っている人」だけでなく、全く知らないインターネット上の誰かに見えてしまう可能性があるのです。
例えば、LINEでタイムラインの公開範囲を「全体公開」にしたままだと、あなたの友だちではない人も含め、多くの人があなたの投稿を見られることになります。また、メールのアドレス帳(連絡先リスト)が、意図せず他の人と共有されてしまうような設定になっているサービスも過去にはありました。
身近なサービスのプライバシー設定を確認してみましょう
全てのサービスで設定方法が同じではありませんが、ここでは多くの人がお使いになっているサービスを例に、確認のポイントをお伝えします。
例1:LINE(ライン)
LINEは、ご家族やご友人との連絡にとても便利ですが、いくつかの設定を確認しておくとより安心して使えます。
- 設定画面を開く: LINEアプリを開き、ホーム画面の右上にある歯車(⚙️)のマークを押します。これが「設定」画面へ進む入り口です。
- プライバシー管理を探す: 設定画面の中に「プライバシー管理」という項目があります(名称は少し違う場合もあります)。ここをタップしてください。
- 特に確認したい設定:
- IDの検索を許可: これがオンになっていると、あなたのLINE IDを知っている人があなたを検索できるようになります。知らない人からの連絡を防ぐため、通常はオフにしておくのがおすすめです。
- メッセージ受信拒否: これをオンにすると、友だち以外からのメッセージを受け取らなくなります。迷惑メッセージ対策になります。
- 情報の提供: LINEのサービス改善のために情報を提供するかの設定です。基本的にはオフでもサービスの利用に問題はありません。
- タイムラインの公開範囲: これは「タイムライン」というあなたの近況などを投稿できる機能に関する設定です。投稿する際に公開範囲を設定できますが、あらかじめデフォルトの公開範囲を確認しておきましょう。「友だち限定」にしておくと安心です。
例2:スマートフォンの設定(写真の位置情報など)
スマートフォンで撮った写真には、実は「どこで撮ったか」という位置情報が記録されていることがあります。この写真をご家族や友人に送るだけなら問題ないかもしれませんが、もしインターネット上に公開するような場合(ブログやSNSなど)、写真からあなたの居場所が知られてしまう可能性があります。
スマートフォンの「設定」アプリを開き、「プライバシー」や「位置情報サービス」といった項目を探してみてください。ここで、どのアプリに位置情報の利用を許可するかを設定できます。写真アプリでの位置情報記録をオフにすることも可能です。
- iPhoneの場合: 「設定」アプリ > 「プライバシーとセキュリティ」 > 「位置情報サービス」 > 一覧からカメラアプリを選び、「なし」を選択
- Androidの場合: 「設定」アプリ > 「位置情報」 > 「アプリの権限」 > カメラアプリを選び、位置情報の利用を許可しない設定にする
※スマートフォンの機種やOSのバージョンによって項目名や操作手順が異なる場合があります。
設定を変えるのが不安な場合は
設定画面を見ても、専門用語が出てきたりして「これを変えて大丈夫なの?」と不安になることもあるかもしれません。
そんな時は、無理にご自身だけで解決しようとせず、詳しい人に相談してみてください。
- ご家族や親しいご友人: 普段からデジタル機器に慣れている方が身近にいれば、画面を見てもらいながら一緒に操作してもらうのが一番安心です。
- お住まいの自治体の相談窓口: 市役所や地域の公民館などで、高齢者向けのデジタル機器相談会などを実施している場合があります。専門の相談員が親切に対応してくれることが多いです。
- 携帯電話会社のショップ: ご契約されている携帯電話会社の店舗でも、スマートフォンの基本的な設定についてサポートを受けられる場合があります(有料の場合もありますので事前にご確認ください)。
大切なのは、「分からないまま放っておかない」ということです。少しの勇気を持って相談することで、不安はきっと解消されます。
まとめ:確認することで安心が得られます
インターネットサービスのプライバシー設定の確認は、難しそうに感じるかもしれませんが、一度やってみればそれほど大変なことではありません。
ご自宅の鍵をかけたり、大切なものにしまい場所を決めたりするのと同じように、インターネットの世界でも「私の情報にどこまで鍵をかけるか」を決めることができます。
今日お話ししたポイントを参考に、普段お使いのサービスの設定画面を少しだけ覗いてみてください。そして、もし不安な点があれば、迷わず詳しい人に相談してみましょう。
適切な知識と設定によって、インターネットをもっと安心して、快適に利用できるようになります。あなたのデジタルライフが、より安全で豊かなものになることを願っています。