ネットの足跡相談室

ウェブサイトを見た履歴や検索の記録は残る?気になる『ネットの足跡』の消し方

Tags: ネットの足跡, デジタルタトゥー, 検索履歴, 閲覧履歴, プライバシー, 情報削除

インターネットの「足跡」、気になりませんか?

インターネットを使ってウェブサイトを見たり、知りたいことを検索したりすることが、今では当たり前になりました。その一方で、「自分がインターネットで何を見たか、何を探したか」という記録が、どこかに残っているのではないかと漠然とした不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。

この「インターネットを使った記録」は、「ネットの足跡」や「デジタルフットプリント」などと呼ばれることがあります。皆様が普段歩いた道に足跡が残るように、インターネットの世界でも、知らず知らずのうちに自分の行動の記録が残っているのです。

この「ネットの足跡」は、時として「デジタルタトゥー」の一部として、後々まで影響を与える可能性も指摘されています。しかし、必要以上に怖がる必要はありません。まずは、この「ネットの足跡」がどのようなものなのかを知り、ご自身でどのように管理できるのか、具体的な方法を知ることが大切です。

この記事では、特に身近な「ウェブサイトを見た履歴」や「検索の記録」に焦点を当て、それがどのように残るのか、そしてどのように消すことができるのかを、専門用語を避けながら分かりやすくご説明します。

あなたの「ネットの足跡」とは?

インターネットを利用すると残る「ネットの足跡」には、いくつかの種類があります。中でも、普段から意識しやすいのが「ウェブサイトの閲覧履歴」と「検索履歴」です。

例えば、インターネットを見るためのソフト(これを「ブラウザ」と呼びます。お使いのパソコンやスマートフォンに入っている「Google Chrome」や「Microsoft Edge」、「Safari」といったものがこれにあたります)には、あなたがどのウェブサイトをいつ見たかという記録が残るようになっています。これは、後から同じサイトにもう一度行きたい時に便利だからです。まるで、過去に行った場所を地図に印として残しておくようなものです。

また、Googleなどの検索サイトで何か言葉を入れて調べ物をした場合、その「調べた言葉」も記録されていることがあります。これは、次に同じようなことを調べたい時や、あなたにおすすめの情報を提供するのに役立てるためです。これは、お店でポイントカードを使ってお買い物をすると、お店に何を買ったかの履歴が残るのと少し似ているかもしれません。

これらの履歴は、あなたのブラウザや、使っている検索サイトを提供している会社のコンピューター(「サーバー」と呼びます)に保存されていることがあります。

なぜ「ネットの足跡」が気になるのか?

これらの履歴が残っていること自体は、インターネットを便利に使うために役立つ面もあります。しかし、以下のような理由から気になる、あるいは不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。

「ネットの足跡」は消せる?

はい、ご自身で削除できる「ネットの足跡」はたくさんあります。主に、お使いのブラウザや、利用している検索サイトの設定から、履歴を確認したり、削除したりすることができます。

1. ブラウザの閲覧履歴を消す

お使いのブラウザには、これまでに見たウェブサイトの記録が残っています。この履歴は、ブラウザの設定メニューから確認し、まとめて、あるいは個別に削除することが可能です。

具体的な操作方法は、お使いのブラウザ(Google Chrome、Microsoft Edge、Safariなど)によって少しずつ異なります。「〇〇(お使いのブラウザ名) 履歴 削除」といった言葉でインターネット検索すると、詳しい手順が見つかるでしょう。

2. 検索履歴を消す

Googleなどの検索サイトを利用して調べ物をした場合、その検索した言葉がアカウントに紐づいて保存されていることがあります。この履歴も、検索サイトの設定画面から確認し、削除することができます。

こちらも、利用している検索サイト(「Google 検索履歴 削除」など)で検索すると、詳しい手順が見つかります。

3. その他の「ネットの足跡」:Cookie(クッキー)

ウェブサイトを見ていると、「Cookieに同意しますか?」といった表示を見たことがあるかもしれません。Cookie(クッキー)というのは、ウェブサイトがあなたのブラウザに保存する小さな情報のことです。

これは、例えば一度ログインしたサイトで次からはログイン状態を保ったり、買い物カゴに入れた商品を覚えておいたりするのに役立つ便利な機能です。しかし、どのサイトを訪れたかといった情報を記録するために使われることもあります。

Cookieもブラウザの設定から削除したり、保存しないように設定したりすることができます。ただし、Cookieを削除すると、サイトの便利な機能が使えなくなったり、毎回ログインが必要になったりすることがあるため、注意が必要です。

履歴を消せば「デジタルタトゥー」は完全に消える?

ブラウザの履歴や検索履歴を消すことで、ご自身のパソコンやスマートフォン、あるいは検索サイトのアカウントからは、特定の「ネットの足跡」をなくすことができます。これは、プライバシーを守る上でとても有効な手段です。

しかし、「デジタルタトゥー」という観点から考えると、注意しておきたい点があります。あなたがインターネット上で何か行動を起こした場合、その情報がブラウザや検索サイトの履歴として残るだけでなく、情報をやり取りした相手側にも記録が残る可能性があるのです。

例えば、

つまり、ご自身の手元にある履歴を消しても、情報のやり取りをした相手側に残った記録や、一度インターネット上に公開されて広がってしまった情報については、完全に消すことが難しい場合があるのです。これが「デジタルタトゥーは完全に消せない」と言われる理由の一つです。

安心してインターネットを使うためのヒント

「ネットの足跡」や「デジタルタトゥー」と聞くと不安になるかもしれませんが、過度に心配する必要はありません。大切なのは、どのような情報が残りうるのかを知り、ご自身で管理できる部分について、できることから対策を行うことです。

  1. 定期的に履歴を確認し、不要なものは削除する: ブラウザの閲覧履歴や検索履歴は、ご自身で簡単に確認・削除できます。気がついたときに、不要な履歴を消す習慣をつけると良いでしょう。
  2. プライバシー設定を確認する: 多くのインターネットサービス(検索サイト、SNSなど)には、自分の情報がどのように扱われるかを設定できる「プライバシー設定」があります。難しそうに見えるかもしれませんが、少しずつ内容を確認し、ご自身が安心できる設定に変更してみましょう。
  3. 怪しいサイトや情報には注意する: 個人情報を安易に入力しない、信頼できるサイトだけを利用するなど、インターネット上での行動に少し注意を払うだけでも、不要な「足跡」が残るリスクを減らせます。
  4. 過去の情報を探してみる: ご自身の名前などでインターネット検索をしてみて、どのような情報が見つかるか確認してみるのも一つの方法です。

まとめ

インターネットを使うと、多かれ少なかれ「ネットの足跡」は残ります。特にウェブサイトの閲覧履歴や検索履歴は、ご自身で確認し、削除することができる身近な「足跡」です。

これらの履歴を管理することは、ご自身のプライバシーを守り、デジタルタトゥーのリスクを減らすための第一歩となります。完全にすべての情報をコントロールすることは難しいかもしれませんが、ご自身でできる対策を行うだけでも、インターネットをより安心して使えるようになります。

もし、「どうやって履歴を消せば良いのだろう?」「この情報はどうなっているのだろう?」といった具体的な疑問や不安があれば、『ネットの足跡相談室』のような場所で質問してみるのも良いでしょう。他の人の経験を聞いたり、詳しい人に相談したりすることで、安心してインターネットを利用するためのヒントが見つかるはずです。

不安になりすぎず、一つずつ、できることから始めてみましょう。